2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧
紙の魔術師(チャーリー・N・ホームバーグ/ハヤカワ文庫) ハヤカワ文庫の、ファンタジー色の背表紙の一冊。 舞台は20世紀初頭、蒸気機関車や電信が普及し始めたころのイギリス。魔法も高度な技術として認められている。 魔法学校を卒業した主人公(女性…
工学部ヒラノ教授(今野浩/新潮文庫) 図書館でこの著者の作品を1冊見つけて、非常に面白かったので、他の著作を探してみた。 幸いなことに、「工学部ヒラノ教授」で始まるタイトルの本が、十数冊、あることがわかった。 その中で紹介するのは、シリーズ最…
風の名前(パトリック・ロスファス) 久しぶりに、ハヤカワ文庫のファンタジーを読んだ。シリーズものの長編としては、ミストボーンシリーズ以来か。 キングキラー・クロニクルの第一部として描かれる本作では、放浪の民の少年が、おとぎ話の悪人たちに一族…
チャイナ・セブン<紅い皇帝>習近平(遠藤誉/朝日新聞出版) 6年余り前に、朝日文庫から出た『チャイナ・ナイン』を読んだ時の衝撃を覚えている。そこには、上位9人の多数決ですべてが決まる中国の権力構造と、習近平が国家主席に選ばれた経緯が、克明に…
スパイは今も謀略の地に(ジョン・ル・カレ/早川書房) 昨年11月に、この作者の作品『スパイたちの遺産』を紹介する記事を投稿したが、その後まもなく、氏の訃報に接した。そこで、哀悼の意を込めて、文庫になるのを待たずに、ハードカバーで読んでみた。…
ときどき旅に出るカフェ(近藤史恵/双葉文庫) 少し前に紹介した『マカロンはマカロン』をはじめとする「ビストロ・パ・マル」シリーズを通じてこの作者に興味を持ち、その後、あれこれと読んでみた。推理を軸に多彩な作風の著作があり、特に、自転車競技の…